夏はイネ科の植物に要注意
イネ科植物による花粉症について
春から秋にかけて、特に気温が上がる季節になると、イネ科の植物が花を咲かせ、それに伴って花粉が空中に多く飛散するようになります。この時期に、急に鼻水が出たり、鼻づまりがひどくなったり、くしゃみが止まらない、目のかゆみが出てきた、といった症状が現れる方は、もしかするとイネ科の植物による花粉症を発症している可能性があります。
春のスギやヒノキなどの花粉症が長引いているように感じたり、「いつまでもくしゃみが止まらない」「鼻づまりが続いている」といったお悩みをお持ちの方も、季節の移り変わりとともに原因となる花粉が変わってきている場合がありますので、一度アレルギー検査を受けてみるのも良いでしょう。
イネ科の花粉の原因植物
イネ科の植物にはさまざまな種類がありますが、代表的なものとしては「カモガヤ」「ハルガヤ」「オニウシノケグサ」「ネズミホソムギ」などが知られています。これらはもともと海外から日本に持ち込まれた外来種で、寒さに強く繁殖力も旺盛なことから、現在では日本全国どこにでも生えている身近な雑草となっています。
「イネ科」と聞くと、つい水田に植えられているイネを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、これらの花粉症の原因となるイネ科の植物は田んぼとは無関係で、都市部の道端や公園、空き地や住宅街の庭先など、私たちのすぐそばにある環境にも広く分布しています。
イネ科植物の生息場所と対策
イネ科の植物は草地や河川敷、道路のわき、さらには家庭の庭など、思いがけない場所に生息しています。日常生活の中で頻繁に接することのあるこれらの場所では、無意識のうちに花粉を吸い込んでしまうことも少なくありません。
ご自宅の庭や敷地にこれらの植物が生えているのを見つけたら、花が咲く前に草取りをすることで、家の中に飛び込んでくる花粉の量を減らすことができます。特に夏前には雑草をこまめに取り除いておくことで、花粉症の予防につながります。
イネ科花粉の飛散時期と地域差
イネ科植物の花粉は、日本全国で一年を通じてどこかの地域では飛散しており、特定の地域や季節に限られたものではありません。ただし、一般的なピークは春の終わりから夏のはじめ、特に5月〜7月頃に多くなる傾向があります。
6月の梅雨入りとともに一時的に飛散量は減少するものの、梅雨が明けて気温が一気に上がる時期には、再び花粉が増えることが多くあります。夏場になってもくしゃみや鼻水などの症状が続く場合は、花粉症として見過ごさず、早めに医療機関で診察を受けることをおすすめします。
イネ科花粉症の主な症状
イネ科の花粉症によって引き起こされる症状は、スギやヒノキなど他の花粉によるアレルギー症状とほぼ同じです。主に以下のような症状が現れます:
- 透明な鼻水が止まらない
- 鼻づまりによる呼吸のしづらさ
- 繰り返すくしゃみ
- 目のかゆみや充血
- 喉や耳の奥がかゆい感じ
- 集中力の低下や日中の眠気
受診の目安
以下のようなケースでは、小児科の受診を検討してください:
- 市販薬を服用しても症状の改善が見られない
- 鼻づまりで夜間の睡眠が妨げられている
- 学校や仕事に集中できないほどの不快な症状が続く
- 目のかゆみや充血が強く、目を開けているのがつらい
- 咳や喘鳴(ぜいぜい・ヒューヒュー)があるなど、呼吸器の症状が出ている
- 花粉症かどうか確かめたい、正確な診断を受けたい
- 他のアレルギー疾患(喘息、アトピー性皮膚炎など)がある
花粉症は、適切な診断と治療によって症状を軽減し、生活の質を向上させることが可能です。気になる症状がある場合は、当院までご相談ください。
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