夏の脱水による子どもの便秘にご用心!

こんにちは、おおたかの森こどもクリニックです。

今年の梅雨は短く、早くも本格的な夏の暑さが訪れておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、この季節、お子さんの健康に関して特に注意していただきたいのが「便秘」です。意外に思われるかもしれませんが、夏は便秘が悪化しやすい季節であり、当クリニックでも例年、この時期から便秘のご相談が増える傾向にあります。今回は、なぜ夏に便秘に注意が必要なのか、そしてお子さんの便秘の症状や受診の目安についてお話しさせていただきます。

夏に便秘が悪化しやすい、3つの落とし穴

「夏バテはよく聞くけれど、夏に便秘?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、夏の生活習慣には便秘を悪化させる要因がいくつか隠れています。

1.水分不足が最大の原因!

本格的な夏の到来とともに、お子さんは汗をかく量が格段に増えます。学校や園での活動、放課後の遊びなどで、想像以上にたくさんの汗をかいているにもかかわらず、喉の渇きに気づかなかったり、遊びに夢中で水分補給を怠ったりすることがよくあります。しかし、体内の水分が不足すると、便が硬くなりスムーズな排便が難しくなります。特に、清涼感のある炭酸飲料など糖分の多い飲み物ばかりを摂っていると、かえって体が脱水気味になることもあるため注意が必要です。

2.気温上昇と生活リズムの乱れによる体調変化

連日続く猛暑は、お子さんの体にも大きな負担をかけます。体がだるく食欲が落ちたり、夜間の熱帯夜で睡眠が浅くなったりすることで、自律神経のバランスが崩れやすくなります。自律神経は腸の動きもコントロールしているため、そのバランスが乱れることで、腸の動きが低下し、便秘につながることがあります。また、7月に入ると、夏休みが近づき、学期末の忙しさや、習い事、家族旅行の計画などで、普段の生活リズムが少しずつ変化するご家庭もあるかもしれません。こうしたリズムの変化も、排便習慣に影響を与えることがあります。

3.食生活の変化と食物繊維不足

暑くなってくると、食欲が落ちやすく、冷たい麺類やさっぱりとしたものばかりに偏りがちです。また、アイスクリームや冷菓、清涼飲料水など、口当たりの良いものばかりを摂りすぎてしまうこともあります。これらの食品は、食物繊維が不足しがちです。食物繊維は、便のカサを増やし、腸の動きを活発にするために非常に重要な栄養素です。夏野菜には食物繊維が豊富なものも多いですが、偏った食事や簡素な食事になりがちなこの時期は、意識的に摂取しないと不足しやすくなります。

お子さんの便秘はこんな症状があったら要注意!

「うちの子は、毎日排便があるから大丈夫」と思っていませんか?実は、毎日排便があっても、便秘である可能性があります。お子さんの便秘は、以下のような症状として現れることがあります。

✔排便が週に2回以下、または3~4日に1回程度しかない。(以前より回数が減った)

✔コロコロとした硬い便、ウサギのフンのような便、便が太くて排出しにくい。

✔便が硬いため、排便時に肛門が切れ、痛みや少量の出血を伴うことがある。

✔お腹の張り、腹痛、食欲不振。

✔以前はできていた排便を嫌がり、隠れて我慢するようになる。

✔下着が液状の便で汚れている

※便秘がひどくなると、直腸に溜まった便の周りを液状の便がすり抜けて、下着を汚してしまう「便もれ(遺糞症)」が起こることもあります。これは決して粗相をしているわけではなく、重度の便秘のサインです。

これらの症状が見られたら、便秘の可能性が高いと考えられます。

また、お子さんの便秘は単なる便の詰まりだけでなく、生活習慣、食生活、時には心の問題など、様々な要因が絡み合っている場合があります。おおたかの森こどもクリニックでは、お子さん一人ひとりの状態を丁寧に診察し、適切なアドバイスや治療を行っています。薬が必要な場合も、お子さんの年齢や症状に合わせた適切な量と種類を処方いたします。

便秘が慢性化すると、お子さんにとって精神的・身体的な負担が大きくなるだけでなく、治療に時間がかかることもありますので「こんなことで受診していいのかな?」と迷わず、まずは一度ご相談ください。

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