今年、スギ花粉症でつらい思いをされた方へ ~毎年同じ症状で悩まされないために~
アレルギー性鼻炎(花粉症)の症状で悩まされているお子さんが、年々増加しています。特に、スギ花粉症はもはや、日本の国民病といって過言ではないくらい、高い罹患率の病気です。アレルギー性鼻炎自体は、命にかかわる病気ではありませんが、毎年春先になるとティシュを鼻に押さえながら、鼻水・鼻づまり・くしゃみを訴えるお子さんがたくさんご来院されます。中には、これらの症状だけでなく、微熱が出たり、頭がぼーっとしたりして集中力がなくなり学業やクラブ活動に支障をきたしているお子さんもいます。
最近では、スギ花粉症の症状を抑えるお薬だけでなく、体のアレルギー体質そのものを改善する治療法(舌下免疫療法)も保険適応で認められるようになってきました。舌下免疫療法はアレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を含んだ薬剤を、少しずつ体に投与し、アレルゲンを体に慣らしていく治療法です。アレルギーの根本治療になりうる治療です。お薬に味や苦みはなく、小さなお子さんでも治療を続けやすいことも特徴で、5歳以上のお子さんであれば治療をお受けいただけます。ただし、舌下免疫療法スギ花粉が飛散しているシーズンから治療を開始することは認められていません。やはり、事前対策が大事ということですね。当院では、6月~12月で治療開始をお受けしています。
ただし、アレルギー性鼻炎のお薬は薬剤の性質上、すぐに効果がでるわけではなく、2~3週間ほど服用し続けて、ようやく効果が期待できます。つまり、アレルギー性鼻炎のお薬は症状が出てから服用するのではなく、症状が出る前から事前に対策をしておくことが大事ということです。
ただし、良いことばかりではありません。当然デメリットもあります。体を少しずつアレルゲンに慣らしていくため、治療期間が長くなります。平均で3年~5年になります。ただ、舌下免疫療法の治療を開始したお子さんの中には、治療開始後、半年くらいで症状が軽減された!スギ花粉症シーズンの服用するお薬の量を減らすことができた!という方もおられます。
今までは不治の病のように扱われてきたスギ花粉症ですが、これを治すことができるというのはとてもすごいことです。ただし、上記のとおり、メリットばかりではありませんが、舌下免疫療法にご希望の方は、当院までご相談ください。
当院では注射器を使わず、指先からの少量の採血で検査できるアレルギー検査も行っています。アレルギー性鼻炎でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。