溶連菌感染症が流行中

【記事】

夏休みが終わり、新学期が始まりましたね。秋の学校生活には、楽しいイベントが待っています。様々な行事で協力し合うことでチームワークを養うことができます。活気あふれる声が教室の雰囲気を盛り上げることでしょう。さて、新学期が始まり、お父さんお母さんに注意してほしいことが、感染症の流行です。子どもたちが集まる環境が増えると感染症は一瞬で火が付きます。学校の感染状況に注意を向けてみてください。今回はそんな感染症の中でも現在、流行している溶連菌感染症に関してお話しします。

溶連菌とは、細菌の一つで、のどに感染することが多いです。感染力は非常に強く、飛沫感染(せきやくしゃみなどによる感染)で広がります。

全国の溶連菌の感染状況





「定点あたりの報告数」とは「すべての医療機関からの報告数」を「すべての医療機関の数」で割った値のことで、言いかえると「1医療機関当たりの平均報告数」のことです。
 
参照元NIID国立感染症研究所 IDWR速報データ
https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html

このグラフからわかるように、今年の溶連菌感染症は全国的で6~8月に大流行をしました。8月は学校が休みになり感染の拡大は落ち着きましたが、9月は学校が始まり感染症が流行しやすい季節です。そのため引き続き注意が必要です。

感染しないために

溶連菌感染症は子どもたちに多く見られるため、学校や保育園で流行したりしたときにはうがいや手洗い、アルコール消毒といった基本的な感染症の予防を行いましょう。

もし感染の疑いがある場合は

溶連菌感染症の症状としては、38度以上の発熱やのどの痛み、他にも舌にイチゴのようなぶつぶつができるイチゴ舌などがあります。

これらの症状は風邪やインフルエンザワクチンと非常に似ています。溶連菌感染症はリウマチ熱やアレルギー性紫斑病などを併発する場合もありますので、

しっかり検査をして診断するためにもそれらが症状として出た場合は、速やかにお近くの小児科へ相談し、診察を受けるようにしてください。

その後に関しても正しく薬を服用すればよくなりますが、自分の判断で飲むことをやめたり、飲み方を変えたりしないようにしてください。

登園・登校に関して

抗生物質を服用後、24時間ほどで感染力はなくなると言われていますので、抗菌薬内服後24時間以上経過し、症状が落ち着いていれば登校や登園が可能となります。

では今回のまとめです。

①溶連菌は非常に感染力が強い細菌です。人が集まる場所や流行しているところは避けましょう。

②溶連菌は今現在、流行しています。お近くの学校や保育園は大丈夫か注意してみてください。

③溶連菌に感染しないために、手洗いやうがい、アルコール消毒など日ごろでできる感染対策は欠かさず行いましょう。

④感染したかなと思った場合や、気になる症状があれば当院やお近くの小児科までお気軽にご相談下さい。

今月も見ていただきありがとうございました。