年長さんが打つべきワクチンって何?

10月に入り、気温も下がり秋のさわやかな気候になってきました。ハイキングや散策をすれば美しい紅葉を見て、秋の魅力を満喫できることでしょう。

さて、最近は小学校に入る前に打つ必要があるワクチンに関して多くの問い合わせをもらいます。

そこで今回は年長さん(小学校に入る前)が打つべきワクチンをテーマにブログを執筆しようと思います。

日本小児科学会では、年長さんには下記の4つワクチンの接種が推奨されています。

MR(麻疹(はしか)・風疹混合)ワクチン:定期接種

おたふくかぜワクチン:任意接種

3種混合ワクチン(DPT):任意接種

・不活化ポリオワクチン:任意接種

MR(麻疹(はしか)・風疹混合)ワクチン

こちらは公費で受けることができる定期接種のワクチンです。

MR(麻疹(はしか)・風疹混合)ワクチンは1回目を1歳に2回目を小学校入学前の年長さんに打つのですが…2回目のワクチン接種は1回目から少し期間が空いてしまうことと小学校の入学前のバタバタもありで忘れがちです。また接種期間が決まっており小学校入学までに接種しないと自費での扱いとなります。MR(麻疹(はしか)・風疹混合)ワクチンは8800円を超える値段の高いワクチンなので、忘れないように気を付けましょう。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜワクチンは任意の予防接種で、自費での接種となります。年長さんでは2回目の接種を行います。おたふくかぜはワクチンにより高い確率で予防することが出来ます。おたふくかぜにかかってしまうと頬の腫れや痛み、高熱などの症状が出て、1週間ほどの隔離が必要となります。強い頭痛などを引き起こす無菌性髄膜炎や重度の難聴など多くの合併症があるので、接種をおすすめします。

3種混合ワクチン(DPT)・不活化ポリオワクチン

3種混合ワクチン(DPT)・不活化ポリオワクチンもともに任意の予防接種で、自費での接種となります。

3種混合ワクチンの3種とはジフテリア・百日咳・破傷風です。これにポリオを加えた4種に対するワクチンが定期接種の対象となっている4種混合ワクチンとなります。

その中でも年長さんには百日咳の予防のために3種混合ワクチンの接種が勧められています。

すでに百日咳のワクチンを含んでいる4種混合ワクチンを打っているからいいのでは?と思われるかもしれませんが、百日咳は小中学生や大人でも発症する可能性があります。

しかし4種混合ワクチンを4回打っていても年長さんでは抗体がなくなってしまうので、集団での生活である小学校に入学すると百日咳にかかってしまうお子さんが増加します。学校へ入学する前に3種混合ワクチンを接種することで、たとえ百日咳にかかったとしても、重症化を予防できるので年長さんの時期に打つことをお勧めします。

また不活化ポリオワクチンに関しては、日本では4回の接種で完了とされています。しかし海外では5回・6回とポリオワクチンに接種を要求されることがあります。海外に移住したり、留学に行ったりする予定がある方は接種しておくとよいでしょう。

当院でも定期接種のMR(麻疹(はしか)・風疹混合)ワクチンや4種混合ワクチン(DPT-IPV)はもちろん

今回のテーマである年長さんが打つ必要があるワクチンの、おたふくかぜワクチン・3種混合ワクチン(DPT)・ポリオワクチン(IPV)も接種可能ですので、一度当クリニックまでご相談ください。