アデノウイルスの症状とわかりにくい登園・登校基準について

12月に入り、すっかり寒くなり、街の歩く人達もコートやマフラーを身に着ける方も増えてきました。冬になると感染症が今以上に流行すると予想されます。手洗い・うがいなどの対策は怠らず続けるようにしてください。

さてそんな感染症の中でも、今回はアデノウイルスにフォーカスして、記載したいと思います。

アデノウイルスはいわゆる“風邪“の原因となるウイルスの一つです。そしてアデノウイルスにはいろんなタイプ・型があり、アデノウイルスが感染する体の部位によって症状・病名が変わります。

今回は病名ごとにお話をしていこうと思います。

①呼吸器感染症

アデノウイルスが鼻に感染すると、鼻水・鼻詰まりなどの鼻炎や気道に感染すると気管支炎や肺炎などになる場合があります。

ほぼ風邪の症状ですが、肺炎などになってしまった場合は重症化することもありますので、注意が必要です。

②プール熱(咽頭結膜熱)

潜伏期間は5~7日で、発症する2日前から他人への感染が見られます。

主な症状は発熱とのどの腫れ、痛みと結膜炎で、4~5日間にわたり37~39℃の高熱と続きます。

こちらは第2種学校感染症の一つで、

登園・登校基準は「主要症状が消失した後2日を経過するまで」と定められています。

③はやり目(流行性角結膜炎)

潜伏期間は1週間からそれ以上で、発症までに時間がかかります。結膜(眼の中の白目部分)が真っ赤に充血し、涙や目やにが出ます。

放置しておくと角膜(眼の中の黒目部分)にまで症状が広がります。そのため早めに近くの小児科へ受診するようにしてください。

こちらは第3種学校感染症の一つで

登園・登校基準は「症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで」と定められており、自己判断はせずに医師に指示に従うようにしてください。

目安としては充血や目ヤニの症状がなくなり、2日間経過するまで登園・登校はしないようにしましょう。

④感染性胃腸炎

潜伏期間は3~10日です。症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などです。

こちらも第3種学校感染症の一つで

登園・登校基準は「下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態が改善されれば登校可能」

と定められています。

アデノウイルスは感染力が非常に強く、くしゃみやせきなどで出る飛沫を吸い込んだり、ウイルスが付いた手で体の粘膜に触れたりすること感染します。そのため、手洗いうがいや消毒などをこまめに行うようにしましょう。