流行迫る!こどもの夏風邪ってなに?
こんにちは、おおたかの森こどもクリニックです。
4月になり桜が満開になったかと思えば、あっという間に気温が高くなり、ゴールデンウィークには最高気温が30度近くまで上がった日もありました。
暑くなってくると増えてくるのは夏風邪のお子さんです。そこで今回はこどもの夏風邪(ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱)についてお伝えします。
こどもの夏風邪ってなに?
こどもの夏風邪は文字通り夏にこどもが感染する風邪、ですが主な夏風邪、3大夏風邪と呼ばれているのがヘルパンギーナ・手足口病・プール熱(咽頭結膜熱)です。
未就学児(6歳未満のこども)が感染することが多く、冬にかかる風邪とは違い、咳や鼻症状があまり目立ちません。
ヘルパンギーナについて
エンテロウイルスが原因となり感染してしまいます。感染している人の咳やくしゃみなどで感染する飛沫感染などで感染し、潜伏期間(感染してから症状が出るまで)は約2~4日で、症状として高熱、喉やのどの痛み・赤みなどが現れます。症状が出てから2~4日で熱は下がり、7日程度で治ることが多いです。重症化すると髄膜炎や心筋炎になるケースもありますのでご注意ください。そのため高熱が出たり、発熱が2日以上続いたり、お子さんがぐったりしている時は小児科への受診をお願いします。
手足口病について
エンテロウイルス(ヘルパンギーナとは「型」が異なるウイルス)が原因となり感染します。ヘルパンギーナと同様に、飛沫感染などで感染し、潜伏期間は約3~5日で、症状として手足口病という文字通り、口の中の粘膜や手のひら、足の甲や裏などに発疹が現れます。高熱になることは少なく、微熱程度(37度前後)の発熱が起きます。発疹は3~7日で収まることが多いです。放っておくと急性脳炎や心筋炎になることもありますのでご注意ください。ヘルパンギーナと同じように高熱が出たり、発熱が2日以上続いたり、お子さんがぐったりしている時は小児科への受診をお願いします。
プール熱(咽頭結膜熱)について
プール熱は咽頭結膜熱とも言い、夏のプールなどで感染することが多いのでプール熱と呼ばれています。他の夏風邪と同様に飛沫感染に加え、ウイルスが付着した手で口などを触れることで感染する接触感染などで感染します。潜伏期間は約5~7日で、症状として、発熱や喉の赤みや痛み、目の充血などが現れます。これらの症状は1~2週間で収まることが多くですが、こちらも重症化すると肺炎などのリスクも高まりますので注意が必要です。そのため、高熱が3日以上続いたり、元気がなくてぐったりしていたり、水分が摂れないなどの症状があれば小児科への受診をお願いします。
こどもの夏風邪の治療と予防について
ヘルパンギーナ・手足口病・プール熱はいずれも「ウイルス」による風邪のため、いわゆる抗生物質(抗菌薬)の効果がありません。またこれらの夏風邪の特効薬も現在のところありませんので、基本的には症状を抑える対症療法にて治療を行います。
また自宅でも脱水症状にならないようにこまめに水分補給を行い、食事も消化の良いものを取るようにしましょう。
予防については、手洗い・うがい・回避が非常に大切です。
外から帰った後、ご飯の前、トイレの後などは必ず手洗い・うがいを行いましょう。
次に回避です。感染している人がいる場所(大勢の人が集まる場所)などはなるべく避けるようにしましょう。またタオルの使いまわしなども感染が広がる原因となりますので注意が必要です。
夏風邪は登園(登校)はできるの?
こどもの夏風邪ですが、ヘルパンギーナ・手足口病については登園・登校の制限は明記されていませんが、医師の判断に従うようにしましょう。
プール熱についてはで「症状がなくなったのち、2日を経過するまでは出席停止」と明記されています。こちらも2日経過したから登園・登校するのではなく医師の判断に従うようにしましょう。
今回は6月から感染流行のピークを迎えるこどもの夏風邪であるヘルパンギーナ・手足口病・プール熱(咽頭結膜熱)についてお伝えしました。
これらは「かからないこと」が非常に大切です。感染経路を知り、予防に役立てましょう。
それでも感染したかな?という場合には、千葉県流山のおおたかの森こどもクリニックまでご相談ください。