今シーズンのインフルエンザについて
新型コロナウイルスが世界的に流行してから、ここ何年かはインフルエンザ未流行の年が続いています。ただ、インフルエンザや新型コロナウイルスのような感染症は流行の兆しがなくても、ひとたび感染者がいれば一気に大流行する危険性がありますので、これまでの流行パターンを踏まえ、ご紹介したいと思います。
日本でインフルエンザが流行する場合、インフルエンザ流行期の前にオーストラリアやニュージーランドなどの南半球で冬の間に流行するケースが高いと言われています。2020⇒2021年シーズン、2021⇒2022年シーズンのインフルエンザ患者は新型コロナウイルス流行前と比較し著しく少ない一方で、2022年は南半球でコロナ流行前に近い水準のインフルエンザ流行が確認されています。しかし、一方ではコロナ流行により国民全体の感染対策の意識が高くなり、そこまで流行しないのではという意見もあります。
ただし、今年は昨年までと違い関東エリアでインフルエンザ発生が報告されています。そこで、インフルエンザの症状についてご紹介しますので、気になる症状がある場合は、早めにご相談ください。
インフルエンザの症状
インフルエンザに罹患すると、一般的な風邪に似たような症状が現れます。しかし、初発症状(初期症状)等に違いがありますので、以下にインフルエンザと風邪の症状等の違いをまとめました。特に特徴的なのはインフルエンザの場合初発症状から高い発熱があるということです。
しかし、新型コロナウイルスもインフルエンザと同じように初発症状から高い発熱があり、なかなか判断をすることは難しく、またインフルエンザ、新型コロナウイルス共に他者に感染させないための待期期間がありますので、発熱が見られた際はかかりつけ医等での検査をしてください。
インフルエンザ | 風邪 | |
主な症状 | 高熱、筋肉痛、関節痛、のどの痛みなど | 鼻水、鼻づまり、くしゃみ、せき、のどの痛み、発熱など |
症状の進行 | 急激 | ゆっくり |
合併症 | 気管支炎、肺炎等 | まれにあり |
インフルエンザの療養
インフルエンザに罹患してしまった場合、感染防止の観点からできるだけ家族とは別の部屋で静養させるようにしましょう。看病した後は、うがいを徹底しましょう。水分不足にも注意が必要ですのでお茶やスープなどの水分をこまめに摂取しましょう。
・お子さんの看病をしたあとなど、手をこまめに洗いましょう。
・看病している方が、持病をもっていたり妊娠している場合は、念のためかかりつけの医師に相談しましょう。医師の判断により、予防のためのお薬が処方されることがあります。
・お子さんには可能であればマスクを着用させるようにしましょう。なお、看病している方がマスクを着用することによる感染予防効果は限定的ですが、患者と接するときにはマスクを着用することで、ある程度は感染を予防できる可能性はあります。
インフルエンザは学校保健安全法により、出席停止期間が決められており、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」は登園・登校が禁止されています。気になる症状があるときは必ずご相談ください。