これからの季節、ダニアレルギーに気を付けましょう
暑い夏も終わり、最近朝晩は少し冷えてきました。さて、これからの季節気になるのがダニアレルギーです。毎年今頃はダニアレルギーによる鼻炎の患者さんが増えてきます。
「ダニアレルギーは花粉症と違って年中発症するんじゃないの?」という方もいらっしゃると思いますが、実はダニアレルギーにも注意するべき時期があります。
ダニは気温と湿度が上昇する5月から7月にかけて繁殖し、真夏を過ぎると死んでいきます。夏に大量のダニが繁殖し、そのフンと死骸が増える9~10月にはダニアレルギーの発症が増えると言われています。
そこで、ダニアレルギーについて、仕組みと予防策を解説いたします。
ダニアレルギーが起こる仕組み
ダニアレルギーは、ダニのフンや死骸が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を引き起こす病気です。目や鼻などから体内に侵入したダニのフンや死骸を撃退するため、免疫機能が過剰に働くことで起きる病気で、花粉症などと異なりピークとなる季節がありません。ダニアレルギーの原因になるのは主にヤケヒョウダニとコナヒョウダニですが、このダニは家に一定数潜んでおり、完全に撃退することは困難です。しかし、適切な予防策を講じることでダニの数を減らし、発症をおさえたり、症状を軽減させることができます。
ダニアレルギー予防策
では、ダニアレルギーを予防するためにはどうすればよいでしょうか?ご家庭でもできる対策についてまとめました。
■ダニアレルギー対策
・こまめな換気
ダニは高温多湿を好みます。室温25℃、湿度60%を超えると急激に繁殖しますので、マメな換気や除湿機の利用で繁殖しにくい環境づくりをしましょう。
・ダニのエサとなるものを残さない
ダニは人の角質片やフケ、カビやホコリをエサにしています。少なくとも月に1回は家具の裏側などもきちんと掃除し、エサとなるものが残らないように気を付けましょう。
・床の水拭き
定期的に床クリーナーやモップで掃除をされていますか?ダニのフンや死骸が増える秋は、ハウスダストが床に落ちている朝一番にウェットタイプの床クリーナーなどで床の水拭きをしましょう。その際、先に掃除機をかけたり、窓を開けたりするとせっかく床に落ちているハウスダストが舞い上がってしまいます。真っ先に水拭きをするのがポイントです。
・ダニの温床となるものを無くす
布製のソファやカーペット、ぬいぐるみなどはダニの巣になりやすいので要注意です。掃除のしやすさという観点からも、床は出来る限りフローリング、ソファはナイロンや革製に変える。また、ぬいぐるみを減らすなどダニの巣となる環境を減らしましょう。
また、観葉植物などもダニの巣になる可能性があります。ベランダや玄関先などに置くようにしましょう。
このような場合は受診をおすすめします
ダニアレルギーは通年性のアレルギーですが、9~10月は発症しやすい時期です。
・くしゃみ
・鼻水
・鼻づまり
・皮膚のかゆみ、湿疹
・喉のかゆみ
・目のかゆみ、充血
・熱っぽさ
・咳、呼吸困難
などの症状が10月になってから出だした場合、ダニアレルギーの可能性があるためアレルギー検査をおすすめします。
また、ダニアレルギーのつらい症状を軽減したい方には舌下免疫療法をおすすめしています。体の免疫力を高める治療により、アレルギー体質自体を改善する効果が期待されています。保険適応の治療で、子どもは5歳から治療を受けることができますので、気になる方は一度ご相談ください。