冬場の隠れ脱水と便秘に注意

脱水症状が起こりやすい季節は一年のうちに夏と冬の2回あります。冬の脱水というと意外に思われる方もいるかもしれませんが、湿度が低く乾燥する冬場は皮膚からの水分蒸発が発生しやすく、子どもの脱水症状は1~2月が最も多いという報告もあります。併せて、風邪やインフルエンザによる発熱・嘔吐・下痢といった症状による脱水にも気をつけなければならないため、風邪やインフルエンザが流行する冬場は特に脱水に注意が必要です。

また、夏に比べると喉の渇きを感じにくいため、水分を積極的に取らせなければ出ていく水分と補給される水分のバランスが崩れ、脱水症状が起こりやすくなります。

体内の水分が不足がちになると、便が固くなって便秘になることがあります。脱水と便秘との関係は明確に定義できませんが、「水分をこまめにとらせることで便の出が良くなった。」という声を聞くのも事実です。そこで、今回は脱水と便秘について解説したいと思います。

子どもの便秘で脱水が原因の時

子どもの便秘は「水分不足」が原因となることがあります。体内の水分が不足すると、腸内で不足している水分を便から補ってしまうため便が固くなり、便が腸内をスムーズに移動できないことにより便秘が起こりやすくなります。

子どもの便秘の症状

次のような症状が見られたら便秘の可能性があります。

・おなかが張っている

・機嫌が悪い

・食欲の低下

・ウンチをするときに痛がる

・便に血が付いている

・3日以上便が出ていない

また、便の固さも便秘を判断するうえで重要になります。下の図のような、「コロコロうんち」「かちこちうんち」が出る場合は一度ご相談ください。

子どもに必要な一日の水分量

子どもは大人に比べて水分が排出されやすい体質のため、大人以上に水分補給が重要です。1日に必要な水分量は体重によって決まり、「体重×1kg当たりの水分量(ml)」となります。1kg当たりの水分量は次の通りで、例えば体重25kgの小学生の場合は「25kg×60~80ml」、1日に約1.5~2リットルの水分を取る必要があります。

<体重1kgあたりの必要水分量/1日>

・新生児:約50~120ml

・乳児 :約120~150ml

・幼児 :約90~100ml

・学童 :約60~80ml

上手な水分補給で便秘を防ぎましょう

のどの渇きを感じたタイミングでは既に脱水が始まっています。子どもは大人に比べて、のどの渇きを感じるタイミングが遅いともいわれているので、朝起きてすぐ、食事の時、おやつの時、お風呂上りなどの生活サイクルの中で「お水やお茶を飲ませる」ことを習慣化し、脱水による便秘を予防しましょう。

<水分補給はこんなタイミングがおすすめ>

・起床時

・運動の前後

・食事やおやつの時

・お風呂に入る前と後

・就寝前

それでも便秘が起こってしまった場合は便秘の原因が他にある可能性が考えられますので、一度ご相談ください。