アレルギーとは

細菌やウイルスなどの外敵から体を守るべき働き(免疫)が過剰に働き体にとって不都合な症状が誘発されることです。適切な診断と治療が行われないとお子さんの生活の質を低下させてしまい、時に入院が必要な重篤な状態になることもあります。アレルギーに悩まずスクスク成長してほしいという願いを込めて、アレルギー外来をつくりました。
アレルギーの病気には、幾つかの種類がありますが、こどもによく見られるものとして、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症があります。
食物アレルギーの有病率は5-10%(乳児期)、アトピー性皮膚炎は10-20%、喘息は20%(乳児期)と非常に多い病気です。

ドロップスクリーン
(アレルギー検査)

アレルギーといっても、花粉症の鼻水・鼻づまり・くしゃみなどから、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など様々あります。そのため、実はアレルギーの症状がでているにも関わらず、アレルギーと気づかずにそのまま放置してしまい、知らない間に重症化してしまっていることもあります。お子さんが何のアレルゲン(アレルギーの症状を引き起こす原因物質)によってアレルギー反応が引き起こされているかをあらかじめ知っておくと、早いうちから対策をとることが可能です。近年ではアレルギー疾患の研究も進み、例えばアトピー性皮膚炎では、できるだけ早くから適切な治療を開始することで症状が良くなるだけでなく、重症化を防ぐことも可能です。 しかし、アレルギー検査となるとどうしても注射器を用いた血液検査が必要のため、お子さんが怖がり上手く検査できないこともよくあります。そこで、当クリニックでは最新のアレルギー検査機器「ドロップスクリーン」を導入し、指先に小さな針を刺して採血することで簡単にアレルギー検査を実施することが可能です。痛みが少なく小さなお子さんへの負担を最小限に抑えることができるため、注射を嫌がるお子さんや注射の痛みが苦手なお子さんにおすすめのアレルギー検査です。また、ドロップスクリーンでは1回の検査で41種類のアレルゲンに対するアレルギー検査が可能です。

ドロップスクリーンの特徴

※別途、診察料、処置料、処方箋料などがかかります。

検査できる41種類のアレルゲン

検査の流れ

  1. WEB予約からドロップスクリーン枠で予約をお取りのうえお越しください。
    WEB予約は6歳以上で予約が可能です。6歳未満のお子さんも検査可能ですが、まず一般小児枠もしくは専門外来枠(アレルギー外来枠)で予約をお取りいただき医師と検査のご相談をしてください。
    WEB予約
  2. 指先から採血し検査を行います。(注射器は使わず、1滴の採血で検査が可能です!)
  3. 当日に結果は出ますが、混雑時もしくは2人以上の検査の場合は翌診療日以降に、一般小児もしくはパパママ外来をWEB予約して頂き、受診時(後日)に検査結果をご説明致します。

※採血後、検査結果が出るまで1名につき30分かかります。(パパやママもお子さんと一緒に採血を行った場合は、2名なら60分、3名なら90分で結果がでます。)

このような方にドロップスクリーンはおすすめ!

  1. アレルギー検査をしたいがお子さんが注射を嫌がる
  2. お子さんの食物アレルギーについて調べたい、あるいは心配な方
  3. お子さんの喘息やアレルギー性鼻炎が心配
  4. 両親にアレルギー性鼻炎や喘息、アトピーがありお子さんのアレルギー体質が心配な方

こんな場合はアレルギー検査が必要かも?

  1. 入園、入学前のアレルギーチェック
  2. 毎年決まった季節にくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出る
  3. 舌下免疫療法を検討している方
  4. 咳や喘息がなかなか治らない
  5. じんましんの原因がわからない
  6. 湿疹が出やすい
  7. ちょっとした刺激で肌が赤くなりやすい
  8. ペットを飼い始めたいが、アレルギーが心配な方
  9. 家族にアレルギー体質の方がいる   
  10. 今までに一度もアレルギー検査を行ったことのないパパやママ
  11. 花粉症でお悩みのパパやママ 

上記項目に当てはまる方は一度アレルギー検査をお受けすることをおすすめします。
アレルギーといっても原因物質は多数あり、症状もお子さんによってさまざまです。そのため、実はアレルギーの症状が発生していることに気づかず、知らない間に症状が重症化していることもよくあります。当クリニックでは、注射を使わずに食物アレルギーを含め41種類のアレルギー検査ができる機器「ドロップスクリーン」を導入していますので、お子さんのアレルギーについてご不安な方は当クリニックまでご相談ください。

各種アレルギー検査

問診(今までどんな経過だったのか)

じんましん、眼の充血、鼻汁、喘鳴などのアレルギーによる症状が特定の食べ物摂取、時期、場所で起こりやすい状況があるかを注意深く問診することが、アレルギーの原因検索のためには最も重要です。
具体的には食物アレルギーの場合は摂取した食物、種類、量、調理法(食品の形態)、摂取した際の体調、時間帯、出現した症状とその時間などが重要となります。購入したものでアレルギー症状が出現したと疑われるときには、摂取食品のパッケージなどもお持ちいただくと助かります。

プリックテスト

皮膚にアレルゲンエキスを滴下し専用の針で皮膚を穿刺し皮膚の中(皮内)にアレルゲンをごく少量入れ、15分後に判定します。検査で陰性の場合はアレルギー症状が出ない可能性がかなり高いです。当クリニックではプリックテストではなく血液検査を行っています。

血液検査・特異的IgE検査

血液検査ではアレルギー抗原に対する特異的IgEを測定することができます。しかし血液検査はあくまで参考の値であり、血液検査で正常でも実際はアレルギーがあることや、逆に異常でも実際はアレルギーがない場合もあります。原因検索で最も重要なのは問診です。血液検査の意義は、アレルギー出現しやすさの目安になります(IgEが高ければ高いほど少しのアレルゲンで症状が出現することがあります)。乳児の場合は、陰性でも実際にはアレルギー症状が出ることがあります(偽陰性)。

食物経口負荷試験

食物アレルギーに関しては、原因となる食物を摂取し、症状が出現しないかどうかをみるのが最も確実な検査となります。ただし、重篤な症状が出現する可能性も否定できないため、リスクについて十分ご理解いただいた上で実施いたします。

食物経口負荷試験には、以下の2点があります。

当クリニックでは基本的にリスクの少ない症例をセレクトして実施するようにしています。症状が出現するリスクが高いお子さんは、連携病院に紹介させていただきます。

食物アレルギーとは

通常、食べ物を摂取したら、食物は体に取り込まれ栄養になっていきます。それはつまり食べ物が体に受け入れられたわけです。このことを『寛容』されたといいます。食物アレルギーのお子さんはアレルゲンの食材を食べたとき『寛容』が十分に働かずむしろ逆に『免疫』が過剰に働きじんましんや咳や嘔吐などのアレルギー症状が生じるのが、食物アレルギーです。多くは、食べ物を摂取して数分から1時間以内に症状が出る即時型ですが、数時間以上経過してから湿疹の悪化や、下痢などがみられることもあります。

原因

食物中のアレルゲンは、消化管粘膜を通って血液中に入り、その結果アレルゲンに反応するIgEなどの抗体や、T細胞がつくられます。再びその食べ物を摂取することで、アレルギー反応が生じ、症状が現れます。
アレルギーではありませんが、食物中に含まれる成分(仮性アレルゲン)により、アレルギーとよく似た症状が現れることもあります。
その代表的なものがサバ、タケノコ、ナスに含まれるヒスタミン様物質、ジャガイモなどに含まれるサリチル酸化合物です。

症状

即時型では、腹痛・下痢などの消化器症状や、じんま疹・顔面が腫れるなどの皮膚症状、鼻炎、結膜炎、気管支喘息症状、のどの詰まる感じなどが現れます。さらに重症になると血圧が低下し、アナフィラキシーショックを起こします。果物などのアレルギーでは、初めに口唇のはれや口内のかゆみがみられ、口腔アレルギー症候群と呼ばれます。

検査と診断

問診によるアレルギー食材の推定が最も重要です。血液検査では血液中のアレルゲンIgE抗体の測定を行いますが、これらの結果が陽性でも、必ずしも症状の原因とは断定できないため、問診の結果を最重視して血液検査の結果と合わせて総合的に診断します。
食物を用いたプリックテストは、即時型の判定に有用です。症状の原因になる食べ物の特定には、食物除去試験や負荷試験を行います。負荷試験は、症状を誘発する危険があるため、食物の負荷を少量より開始し、徐々に増やして反応をみます。

治療

原因となる食べ物を食べなければアレルギー症状が出現することはありませんが、負荷試験で少量食べられた場合は、ご家庭で『少量で食べることができたら増やさず継続していく』ことが大事です。現在のアレルギー治療の基本方針は『必要最小限の除去』が推奨されています。また、卵、乳、ピーナッツに関しては離乳食早期から接種することで、各々の食物アレルギーの発症率を低下させることがわかっています。しかし、湿疹がある乳児は食物アレルギー出現する可能性が高いのでまず皮疹を外用薬で安定させてから加熱した少ない量の卵を開始する必要があります。
症状が出た際には、対症療法として抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服し、湿疹が強い場合にはステロイド外用薬を塗ります。

注意点

食物アレルギーが疑われたら、まず原因と思われる食べ物を食事から除去します。
低アレルギーミルクや低アレルギー米など、市販されている低アレルギー食品を代替食品として利用するのも有効です。
小児の場合、1~2年除去していれば自然に食べられるようになることが多いので、負荷試験を行って、食べても大丈夫かどうか確認後に除去や制限を解除します。

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は、慢性的に体の広範囲に湿疹が持続する病気です。湿疹が起こりやすい体質、アレルギーなどが原因です。湿疹により皮膚のかゆみや、皮膚が赤くなるなどの症状が認められます。命に関わるような病気ではありませんが、強いかゆみにより夜間の睡眠が妨げられ、成長や発達に影響がでたり、日々の生活に影響がでたりすることがあり、お子さんや家族に大きな負担や疲労を与えてしまうことがあります。
完全に直すことが難しいケースもありますが、適切な方法で『よりよい状態を維持すること』は可能です。そのためには、お子さんやご家族の病気や治療の正しい理解がとても大切になります。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因は、ダニやハウスダスト(ほこり)、食べ物などに対するアレルギーが関係しています。アレルギー以外にも、スキンケアの工夫・睡眠時間・ストレスなど様々な要因があり、正確な原因はいまだに特定されてはいません。

症状

アトピー性皮膚炎の症状でよく見られるのは、皮膚のかゆみと湿疹です。アトピーの皮膚(ドライスキン)では、かゆみを生じる悪循環に陥ってしまい、病状を悪化させてしまいます。

皮膚が乾燥する→アレルゲンが侵入しやすくなる→ 皮膚にかゆみを感じてかく→ 炎症がひどくなる→ 角質の水分がさらに失われて乾燥する

アトピー性皮膚炎では、年齢によって皮膚の炎症をおこす場所と症状が変わるのが特徴です。乳児期では、頭や頬がジュクジュクしてみずみずしくなり、幼児期になると、毛穴の角質が厚くなり、乾燥肌が目立ちザラザラとしてきます。皮膚の症状は、左右対称に、頬や目、口のまわり、肘、膝の内側、胸、背中などにできるのが特徴で、耳のふちや、耳たぶがひび割れることもあります。青年期・成人期になると、皮膚がさらに乾燥し、顔に赤みがでることもあります。最近は成人期まで続く人、成人期になってから発症する人も見られます。この場合、全身に皮膚の炎症が広がる傾向がみられます。

検査と診断

血液検査でダニやハウスダスト(ほこり)などの、原因となっているアレルギー物質のIgE抗体の濃度を調べることによって、アレルギー反応による悪化の原因の見当をつけることができます。血液検査でIgE抗体が陽性でも、必ずしも実際の皮膚炎の悪化につながっているとはかぎりませんが、参考にすることが可能です。また、アトピー性皮膚炎の重症度をみることができる、TARCは血液検査で測定することができます。しかし、アトピー性皮膚炎は症状を聞き、皮膚をみれば診断がつきますので、かゆみ、皮膚症状、症状の経過のみで診断できます。
診断の基準としては以下の三つのポイントがあります。

治療法

治療は薬物療法が中心になります。薬物療法には外用薬と内服薬があり、通常は組み合わせて使用します。

スキンケア

スキンケアはアトピー性皮膚炎による皮膚のダメージを補正するために行います。皮膚を清潔に洗浄して、乾燥予防や皮膚保護のため保湿剤を塗ります。皮膚のダメージが強いときには一日2回は行い、症状が軽快したら一日1回へと外用頻度を減少していきます。
体の洗い方も重要で、防腐剤や着色料、香料の入っていない石鹸を十分に泡立てて、皮膚をこすらないように手でもむように洗い、丁寧に石鹸をすすぐことが大事です。
軟膏は大人の指先の関節一つ分の長さに軟膏を、大人手のひら2枚分の範囲をお子さんの皮膚に塗ります。それより少ない外用剤の量だと十分量ではありません。
入浴後10分ほどで皮膚は乾燥し始めるので、外用剤は入浴後すぐに塗ることが大切です。

外用薬

塗り薬は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)を使用するのが一般的です。ステロイド外用薬は皮膚炎(アレルギー反応によって赤くなったところ)を抑える効果(抗炎症作用)がすぐれており、アトピー性皮膚炎の炎症を改善させます。まず、赤くなっている(紅斑がある)ところにステロイド外用薬を塗り始めます。
ステロイド外用薬には5段階の強さのランクがあり、患者さんの状況に応じて上手に使い分ければ、効果的な治療が期待できます。症状が改善してきたら、徐々に弱いステロイドに切り替えていきます。
ステロイド以外にも、タクロリムスの外用があり、特に顔面、頸部の症状に有用性が認められています。ステロイド治療により改善してきたところでタクロリムスの外用に切り替えることがあります。

内服薬

アトピー性皮膚炎は強いかゆみを伴う病気で、かゆみの悪循環になり、病状が悪化することがあります。この悪循環を断ち切るために、飲み薬を用いることがあります。
ヒスタミンなどの、活性物質の作用を抑制する抗ヒスタミン薬や、抗アレルギー薬の飲み薬もかゆみに効果がありますが、かゆみを抑える力はステロイドやタクロリムスよりも強くはありません。
夜かゆくて寝られない、夜中に体をかきむしってしまう場合には、睡眠導入剤を用います。
他の飲み薬としては、漢方薬を用いることもあります。

注意点

アトピー性皮膚炎は、生活習慣と密接な関わりのある病気です。
生活習慣や生活環境を見直すことで、アトピー性皮膚炎が改善することがあります。

治療のスケジュール

皮膚のかゆみや赤くなっているところに対して治療を開始し、皮膚の炎症をいったん落ち着かせる時期(寛解導入期)には保湿剤とステロイドの外用を使用します。多くの場合、十分な外用剤は使用し、適切な生活習慣を心がけることで改善していきます。しかし、一見皮膚がきれいに見えても、皮膚の奥には炎症が残存しているため、ステロイド外用を完全中止すると増悪することが多いです。そのため、皮膚きれいになっても、少しずつステロイドを減量していくことが大事です(プロアクティブ療法)、ステロイドからタクロリムス外用に変更する方法もあります。

気管支喘息とは

気道に慢性的に炎症が起こる気管支の病気です。慢性的に炎症ってちょっと難しいですよね。少し簡単にいうと、気管支喘息とは、気管支にアトピー性皮膚炎のような湿疹ができており、簡単な刺激に対して過敏に反応し、気管支の周囲に巻き付いている筋肉が締まって気管支が細くなって呼吸が苦しくなります。独特なゼェーゼェー、ヒューヒューという音が聞かれることもあります。
気管支喘息患者は残念ながら死亡してしまうことのある病気ですが、吸入ステロイドの登場で、日本においては小児喘息となる子がほとんどいなくなりました。
気管支喘息は、ステロイド吸入をはじめとした適切な予防治療により改善しますので、病院に受診し、治療を継続することをお勧めします。

気管支喘息の原因

気管支喘息は、気道が敏感になり慢性の気道の炎症が起こることが原因です。
ほこりやダニ、花粉、カビなどのアレルギゲンの刺激に対して気道が敏感に反応することを、気道過敏性といいます。気道に慢性の炎症があると、気道の筋肉がさまざまな刺激に対して反応し収縮してしまい、息苦しさや咳などの症状が現れます。
季節の変わり目、台風接近前などの気圧の変化、気温の急激な気温変化、たばこの煙、女性では、月経や妊娠なども、気管支喘息発作の誘因になります。また、解熱鎮痛薬などの薬剤によって起こることもあります。

症状

気管支喘息は、気管支が収縮して細くなり、息を吐きにくくなることによる呼吸困難が主な症状です。初めはのどがつまる感じがあり、咳と痰も出てきます。やがて気管支が細くなると、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)がおこり、呼吸が苦しくなります。
呼吸困難がひどくなると、横になることができず、前かがみに座って呼吸しなければならないほどになり、呼吸困難がしばらく続いたあと、乾いた咳や粘り気のある痰が出ます。

重い発作の場合は呼吸困難が激しくなり、かなり長い間持続します。さらに重症になると、血液中の酸素が不足するため意識を失い、唇や指先が冷たく紫色になるチアノーゼ状態になります。また、重い気管支喘息発作が24時間以上持続すると、気管支喘息重積状態と呼ばれ、危険な状態になります。

気管支喘息による死因のほとんどは、痰がつまることによる窒息死ですが、適切な治療が行われないと致死的状態となります。通常は副交感神経が高まる、夜間から明け方にかけて、気管支喘息発作が起こることが多いです。

検査と診断

発作が起きていない時は、検査では大きな異常はありません。気管支拡張薬を吸入させると、症状が改善し、気管支喘息の特徴の一つである気道の可逆性が証明できます。その他には、血液検査などをすることもあります。
気管支喘息であるかどうかの診断は、症状の程度や経過を知ることが重要なため、問診が中心です。気管支喘息の典型的な症状がでているかどうか、今までどのような病気にかかったことがあるか、家族に気管支喘息の人がいるかどうかなどを参考にします。

治療法

気管支喘息は気管支の慢性の炎症が起きています。これを簡単に言うと、『気管支にアトピーのような湿疹ができている』ような感じです。その炎症をとるためには、アトピー性皮膚炎と同様用にステロイドで炎症を抑えるのが治療の基本になります。(軽症例では、アレルギーを抑えるロイコトリエン拮抗薬の内服のみで対応可能なこともあります。)

以前は、発作時の症状を抑えるβ2刺激薬などの対症療法が中心でしたが、現在は気管支の慢性の炎症への予防的治療が重要と考えられています。
予防的治療が重要とされている理由は、気管支喘息の患者さんは、発作がない状態でも気管支の炎症があるため、炎症を起さないよう適切な治療を続ける必要性があるからです。
気管支喘息治療の目標は、適切な薬で、気管支喘息症状をなくし、日常生活に支障がないように呼吸機能を保つことです。

急に起こる気管支喘息発作を、気管支拡張薬で抑えることも大切ですが、最も重要なのは、普段から吸入ステロイド薬を中心とした治療をきちんと行い、炎症を改善させて発作を起こさないようにすることです。

即効性がある吸入β2刺激薬と違い、吸入ステロイド薬は少なくとも数日~1週間以上吸入しないと効果が出ませんので、発作のない時でも吸入ステロイド薬の治療を続けることが、発作予防につながります。発作時は吸入β2刺激薬を使い、それでも症状が治まらない場合は、通常の治療薬以外に経口ステロイド薬を内服することもあります。

吸入ステロイドは身長を最終的に1.2cmほど低くする可能性があるという報告もあるので、次に述べる日常生活における対策を実施し、できるだけ気管支の炎症が起きづらい環境にしてステロイド吸入の使用量を少なくする工夫はとても重要です。

日常生活における対策

ダニ、花粉、カビなどのアレルギー対策

最も多いアレルゲンは室内のほこりで、ダニが含まれています。ダニは6月から9月の間に多く、高温多湿を好みますので、特に注意が必要です。室内でペットは飼わないようにしましょう。部屋の風通しをよくして、湿気をためないようにしましょう。じゅうたんや毛布などは、できるだけ使わないようにしましょう。花粉の時期は、外出する時マスクをしましょう。ふとんにも掃除機をかけましょう。室内に植木鉢をおいたり、洗濯物の室内干しはカビが増殖するので控えましょう。

風邪などのウイルス感染の防止

風邪などのウイルスに感染すると、気管支喘息の発作が起こりやすくなります。咳だけが1週間以上続く場合は、気管支喘息による気道の炎症が原因の可能性があります。外から帰ってきた時は、うがいをして風邪の予防をしましょう。

運動誘発性気管支喘息の防止

運動誘発性気管支喘息という、運動したり、走ったりすると発作が起こる喘息があります。しかし、気管支喘息の患者さんが運動をしてはいけないということではなく、適切な治療を行えば、運動しても発作は起こりにくくなります。気管支喘息の患者さんの中にはスポーツ選手で活躍している人もたくさんいます。

アスピリン気管支喘息の防止

気管支喘息の患者さんの約10%が、鎮痛解熱剤を使うと発作を起こすアスピリン気管支喘息と呼ばれています。アスピリンだけではなく、他の薬でも発作が起こることもあるため、注意が必要です。

禁煙

たばこや、蚊取り線香などの煙も、気管支を刺激します。

精神的なストレスの解消

気管支喘息は、ストレスなどの心理的な要素も関係していることがあります。ふだんからストレスをためないように、生活のリズムを整えることも必要です。

注意点

気管支喘息発作のときには病院を受診して、発作が治ったら治療を中断してしまう場合、症状が全くなくても気管支の炎症が続いています。そのため気管支の治療を、炎症を起さないよう、吸入ステロイド薬やロイコトリエン拮抗薬を中心とした、適切な治療を続ける必要性があります。

花粉症とは

花粉症は幼児などの低年齢でも増加傾向です。花粉症の症状によりこどもや家族の生活の質を落とし、学習成果にも影響を及ぼすことがあるので、症状をしっかりコントロールすることをお勧めします。
花粉(主にスギやヒノキなどの植物)が原因となって、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」などのアレルギー症状を引き起こす疾患が花粉症です。
症状としては、立て続けに何回も出るくしゃみ、透明でサラサラした鼻水、両側の鼻づまり、目の痒みなどです。微熱は出ても、高熱にはならないのが特徴です。
治療に関しましては、症状が出てから行うのが原則ですが、花粉症の場合は、症状が出る前からの治療が認められています。花粉症が飛び始める少し前(2週間くらい前)から、薬による花粉症の初期療法を始めておくと、症状の発症を遅らせ、花粉シーズン中の症状を和らげる効果が期待できます。
なお、花粉症治療の基本となるのは抗ヒスタミン薬の内服薬で、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどを軽くする効果があります。症状が軽くなっても、医師の指示通りに飲み続け、自己判断で飲むのを中止しないようにしてください。
また、鼻づまり症状が強いお子さんには、内服薬に加えて局所ステロイドの点鼻薬を併用します。ステロイドとは言っても、内服薬と違ってごく少量なため、副作用の心配はありません。目の痒み・異物感などの症状には、抗アレルギー点眼薬やステロイド点眼薬を用います。
花粉症の症状が出たら、お早めにご受診ください。

症状を軽くするための日常の注意点

花粉症は、付着するアレルゲンの量によって症状が左右される疾患のため、症状を軽くするため、アレルゲンとの接触を少なくする工夫を行うことが重要です。
症状の出やすい時期には、ゴーグル型の眼鏡で目をカバーし、花粉防止用のマスクをすることが効果的です。花粉の飛散量が多い日は、不要不急の外出を避け、布団や洗濯物は室内に干した方がよいでしょう。
ハウスダストやダニが原因の場合は、部屋の清潔を保ち、埃が溜まらないようにしましょう。

舌下免疫療法

当クリニックでは、スギ花粉症・ダニアレルギーを克服する舌下免疫療法を行っています。5歳以上のお子さんから治療することができます。
舌下免疫療法は、一日に一回舌の下に1-2分間程保持し、その後に飲み込みます。 このエキスの量を少量から始めて徐々に増やし、アレルギー反応を起こさないように仕向けていくことで、治癒に導く方法です(スギ花粉症・ダニアレルギー以外のアレルギーには効果が期待できません)。
舌下免疫療法では継続的な治療が必要です。まずは2年間ほどこの治療を行い、効果を確認します。そしてある程度効果の得られた方には、3~5年間の治療をお勧めします。
舌下免疫療法で根治するのは10~20%で、また程度の差はありますが、全体の70~80%の人に有効と言われます。治療期間が長いですので、根気強く行うことが必要です。

おおたかの森こどもクリニック
04-7156-2225
院長
森川哲行
診療内容
一般小児科外来、アレルギー外来、便秘・夜尿症外来、予防接種、乳幼児健診、風邪症候群、インフルエンザ、マイコプラズマ肺炎、溶連菌感染症、胃腸炎 
住所
〒270-0139 
千葉県流山市おおたかの森南1-4-11
ウェルスおおたかの森2F
最寄駅
つくばエクスプレス・流山おおたかの森駅 徒歩1分
…一般小児外来 …予防接種 …乳幼児健診 …便秘・夜尿症外来 …アレルギー外来
【休診日】日曜日・祝日
診療時間 日祝
午前診療
9:00~12:30

9:00~11:00

9:00~12:30

9:30~13:00

9:00~11:00

9:00~12:30
予防接種
11:00~12:30
14:00~16:00

11:00~12:30
14:00~16:00

14:00~17:30
午後診療
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